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橋のない川〈1〉 (新潮文庫) | はるか かなダ
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橋のない川〈1〉 (新潮文庫)
息を呑むほどに素晴らしい本でした。私が2007年に読んだ本の3本の指に入るかも。

先に、どういう内容の本なのか簡単に言わないとね・・・・明治・大正(そして昭和?)にかけて被差別部落で辛い目にあいながらも逞しく育ってゆく少年が主人公のお話。

この、被差別・・・私が学んだ日本史の教科書では、江戸時代に、士農工商の更に下の えた・ひにん と呼ばれる身分を定めた・・・ということは、知っていましたが、言ってしまえばそれだけで、身近に感じる事も、それがどのような事を意味するのかも全く知りませんでした。勿論私の無知もありますが、私の生まれた場所や時代も原因になっていると思います。

しかし、大学時代、仲良くしていた女の子が、
「苗字を聞いたらその人が部落出身の人なのか、私にはわかる・・・」と言っていた事があり、なんともいえず ぞぉっ とした記憶があります。心のうちを正直に言えばその時、彼女に「ちなみに、どういう苗字の人が被差別部落出身なの?」と聞いて見たかった。でも、流石に聞けなかった。私と同じ世代でも、身近に感じる環境で育った人もいたのですね。

さて、この大きなテーマが横たわる中で、この作品は決して暗くなり過ぎない、人間としての強さを幾つ物場面で感じる事が出来ました。そして、主人公や他の登場人物を通して、差別とは何かを読者にじわりと訴えてくる。

(引用開始)
・・・なぜなら、うれしくて悲しいきもち、たのしくて寂しいきもち、その上何やらなさけないこんなおかしげな気持は、とても先生や友達にはわかってもらえる筈がないからだ。けれども、冷たい川底で光っている瀬戸物のかけらなら、自分たちのきもちがわかるんじゃあるまいか。

・・・しかし今では、差別される原因は自分たちの肉体的、精神的異質に由来するのではなく、一にも二にも差別する側の“都合”にあるのを知っている。
(引用おわり)

被差別部落に限らないと思うけれど、所謂、
昔の
田舎の
人の暮らし
についても、興味深く描かれていました。とにかく小さなコミュニティの中で、人の行き来が非常に頻繁。何かとあれば、ひょっこり他人の家にお邪魔して話をする。また、迎え入れる方は、その人が出来る心のこもったおもてなしをする、例えば
お茶を入れたり、
頂きもののお菓子を出したり、
一緒に夕飯を食べたり・・・

・・・考えてみれば、私が小さな頃はこれに近い生活がまだ、残っていた気がする。行き来には車が使われていたけれど。家族で親戚の家に遊びに行けば、笑顔で迎え入れてくれて、ジジ臭い(あるいはババ臭い)お菓子を出してくれたり。。。今の暮らしには全くないなぁ。皆がみんな忙しいし、煩わしいと感じるようになってきているんだよね。

これは、私だけじゃないよね、きっと。でも、この本を読んでいて、何となく昔の暮らしに憧れを感じてしまう。

あと、私が最高に興味深かったのは、主人公孝二次の祖母ぬいの言動。
ぬいは、文盲で自分でも 学が無い と言っているけれど、彼女の口から発する言葉は、非常にキレのあるユーモアを含み、絶対に真似の出来ない哲学を含んでいる。私は、この、ぬいおばあちゃんの大ファンになってしまいました。

さて・・・
著者の永井すゑ女史は、この本に情熱をかけていたのだと思う。
第一巻の初版発行年月日が、1961年9月。
第六巻の発行年月日が1992年5月・・・実に30年。
インターネットで調べると、8冊目の執筆に取り掛かる直前に亡くなられたようで。。。

本は全部で7冊。そのうち読みきったのは6冊。最後の一冊は北アメリカのどこかの図書館にないか、はるおくんにお願いして探してもらっている所です。
posted by: はるか | 2007読んだもの | 16:12 | - | - |
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